
ブルーベリーのある生活編集部より、月ごとのブルーベリーの栽培・管理方法をお届けいたします。
4月のブルーベリーの様子
4月に入ると日差しも強くなり紫外線量が増加すると言われています。それに伴い気温も急激に上昇しはじめます。
ブルーベリーの樹は、気温の上昇と共に小さな花を開花させ、休眠期から成長期へと移行していきます。
開花時期は品種によって多少違い、開花が早いのは、サザンハイブッシュ「オニール」、ノーザンハイブッシュと続きます。
4月中旬から下旬は開花の最盛期で、ラビットアイも開花します。開花は大体3~4週間続きます。
ブルーベリーの花はすずらんに似た鐘形(しょうけい)で、ほとんどが白色です。中には黄ばんだ白色やほんのりピンク色の花や鮮やかな紅色のものがあり、品種によってさまざまに可憐な花を咲かせます。


ブルーベリーの管理方法
水やり
4月は比較的降水量が多いのですが、細い根も伸びる成長期で吸水活動を始めているので、根や葉は土の乾燥に敏感に反応する時期です。土の表面が乾いたら適宜水やりを行います。
適量は以下の通りです。
・幼木(植えつけ後1~2年) 1日1~2ℓ
・若木(植えつけ後3~5年) 1日3~5ℓ
・成木(植えつけ後6~7年、樹高2m以上)1日6~10ℓ
※鉢植えは20%減の量を与えましょう
※水やりは長くても5日以内間隔でやるようにしましょう。
除草
4月に入ると、気温の上昇と共に雑草も成長してきます。出てきた雑草は若いうちに抜き取ります。その理由は、雑草があるとブルーベリーの根は、雑草の根の伸長力、栄養分の吸収力に負け生長が劣るからです。特に鉢植えの場合は雑草を生やさないのが基本です。
害虫の防除
ブルーベリーは、他の果樹に比べて比較的病気や害虫の被害を受ける程度が軽いのが特徴です。しかし、4月から10月は、ブルーベリーの樹の成長期間中で、芽や枝・葉・花・果実・根とあらゆる器官が、病気や害虫の被害を受けます。
無農薬栽培が可能なブルーベリーの樹の場合、カイガラムシ・ミノムシなどの寄生害虫にやられた枝や葉を被害部ごと除去し捕殺(土中に埋めて押しつぶす)します。尚、除去作業中はゴム手袋・長火鉢を使用し処理をします。
他家受粉するブルーベリー ~訪花昆虫の活動支援~
ブルーベリーの樹を育てるときは、違う品種を近くに置いて育てるのが良いとよく耳にします。
これは、ブルーベリーは、めしべの柱頭に「異なる株」の花粉が付き受粉する他家受粉をするからです。他家受粉をすることで、自分とは異なる種の花粉をもらい、遺伝子の組み合わせが多様化し、個体ごとの種の適応力が高まり近交弱勢を妨ぐことができるからです。
他家受粉の植物が受粉をするためには、ハチなどの訪花昆虫の活動を利用し受粉を試みる場合、そして、「水風」などの自然や、植物が生息している環境を見方につけて受粉を試みる場合があります。
また、他家受粉でのデメリットとしては、実の付きが確実ではない可能性があるということです。花の落下や時期のずれにより、個体ごとのタイミングが合わなければ実がでにくくなります。要するに「実が実らなかった」との声もよく耳にしますが、この場合に考えられるのは、他家受粉がうまくいかなかったことが考えられます。
他家受粉をうまく行う方法として、人の手で(綿棒を使用)めしべの柱頭に「異なる株」の花粉が付くよう受粉すると他家受粉を助けることができます。

自家受粉する植物には、ブルーベリーのほかに「エンドウ豆」「朝顔」「イネ」があります。
ブルーベリーは四季折々の様子を愛でることができる果樹です。
特に4月は、桜の花が終わることろに咲き出すブルーベリーの花や蜂たちの様子をお愉しみください。