2021年夏、兵庫県丹波市の地でプレオープンを目指している「わかさブルーベリー農園」
どんな想いからスタートしたのか、どんなブルーベリーを育てているのか、なぜ丹波の地を選んだのかなど、「わかさブルーベリー農園」プレオープンまでの道のりを奮闘記として紹介しています。
今回は「厳しい冬のブルーベリーの姿」についてお伝えします。
冬のブルーベリーは どんな姿?
夏に結実したブルーベリーは、四季によってその姿を変えていきます。
秋になるとブルーベリーの葉は真っ赤に紅葉し、枝の先端には来年の春に花を咲かせる花芽を つけます。ブルーベリーは秋の時点ですでに来年に向けて準備をしているのです。
冬の準備が来年の実りを決める
ブルーベリー農園がある 丹波市は、本格的な冬になると平均気温が5度以下にまで下がります。この時期のブルーベリーは成長を一時的に休止し、じっと寒さに耐え ます。
寒い季節を耐え抜く ことで、美味しいブルーベリーが実るのです。
よりよいブルーベリー作りのため、丹波の山本一氏の指導の下、わかさブルーベリー農園スタッフは冬の期間も元気いっぱいに活動します。 「冬の作業は、手袋をしていても土の冷たさが伝わってくるほど。しかし、ブルーベリーのためとても大切なことがあり ます。それは冬の間に行う「剪定(せんてい )・鉢替え」の作業です。
新しい枝を伸ばしながら成長する草木は、そのままにしておくと実の成長に必要な栄養も使ってしまうのです。 いらない枝を切り落とすことで、ちゃんと実にも栄養がいくようになります。
もちろん、切った枝も無駄にしません。その枝で挿木をし、ブルーベリーの木としてそこから育て、本数を増やしていくのです。
枝を落とす剪定は、日当たりや風通しも良くするので、実の収穫量を増やすためにも大切な作業です。
鉢替えは、大きく育てるために必要です。暖かい季節にぐんぐん成長した植物は、小さい鉢でいつまでも育てていると鉢の中が根でいっぱいになってしまいます。
ですから、ブルーベリーが成長を休んで いる冬に鉢替えをし、来春からの成長に備えるのです。
炎天下の夏とはまた違った大変さですが、美味しい実を収穫できると信じ、今は冬の寒さに耐えながら奮闘しています。
私たちが育てています
株式会社わかさ生活 研究員 浅野 智哉( あさの ともや)
植物の病気に対する抵抗性の研究の専門家(理学博士)。 「チイキノチカラ創生事業※」のリーダーとして、わかさブルーベリー農園の立ち上げや、ブルーベリーの品種改良に取り組む。
※地域の方々とともに地域創生を目指す事業。
丹波ブルーベリー研究会 会長 山本 一(やまもと はじめ)氏
2000年に140本のブルーベリー栽培を自宅の農園(ノビリス 農園)で開始。2006年には、丹波市内の8名が発起人となり「丹波ブルーベリー研究会」を発足。現在は丹波市のブルーベリー 栽培・販売の中心的な立場として活躍。